テレパソは、米国カリフォルニアのWatchJTV社が2005年にオープンソースMythTVをテレビ録画サーバーとしてパッケージ化、2010年頃からはVPNサーバーも追加し主に海外在住者が利用しているテレビ録画サーバーです。 レコーダーとつないだテレパソに海外からアクセスすることで海外の赴任先で日本のテレビを見ることができます。
17年前はまだiPhoneのない時代
初代のテレパソは、DELLのタワー型コンピュータで構成していました。懐かしいですね〜。17年前はまだNTTドコモが最盛期でiPhoneもまだ存在していなかった時代です。(iPhoneが一番最初に販売されたのが2007年)この頃のテレパソは、とても大きく日本でも場所を取るのでご家族の方に設置を同意してもらうのがみなさん少し大変でした。大きなタワー型だったので埃が入りやすく真夏などはファンをフル回転するノイズが大きな問題だったのを記憶しています。
当時は本当に大きな機器でしたが、まだiPhoneのない時代でこの黒い大きなタワー型の箱を置くだけで海外からテレビが見れるとみなさん驚いていたものです。
17年でここまで小型化
テレビの録画の処理には多くのデータ処理が行われます。データ処理はCPUというもので行うため熱を伴いますので加熱が大きな課題でした。幸いテレパソを走らせているOSがLinuxという省エネで走らせることができるものだったので処理能力の高さを維持することができました。これがウィンドウズのサーバーであれば、消費エネルギーは数倍に跳ね上がります。
また、当時のコンピュータはハードドライブが1番の故障の原因でした。なぜなら古いタイプでは(今でもまだたくさんこのタイプですが)ディスクを回転させてデータを書き込むタイプなんです。このタイプは、ファンが回転することにより熱が生じ、加熱が原因で耐久寿命が短くなります。
テレパソで使っているハードはコンピュータ業界でも最も知名度の高いインテル社のものを厳選。インテルのコンピュータはサーバーとして多くのエンジニアも一押しの機器なんです。その証拠にこのシリーズに切り替えてから修理が激減したのも事実です。
コンピュータにおいて1番の故障の原因がハードドライブなのですが、テレパソではSSDというハードドライブを採用。このことで書き込み時にかかるハードドライブのノイズや故障の要因を激減させています。
インテル社の超小型PCにたどり着くまで、様々な経緯がありました。サーバーは実際に設置し運用してみて細かい改善、アップグレードを繰り返し毎年進化してゆきます。幸い多くのお客様にサポートいただき17年間進化し続けることができました。その結果が手のひらサイズのテレパソです。
当時のDellのタワー型と比べると驚くほど小さくなっていますよね。このコンパクトなテレパソに遠隔からPCやモバイルでアクセスしテレビの録画予約やライブ視聴、さらにはVPN経由でのアクセスと凝縮されたテクノロジーが使えるようになっています。
17年でこれだけ進化!充実機能!
テレビ録画サーバー
2005年当初のテレパソでは、地上波、BS、CSのリアルタイム視聴、録画予約、録画転送、録画管理など地上波視聴の為の機能を充実させてきました。当時は海外の回線インフラがとても悪かった為、データ量を抑えてリアルタイム視聴ができる機能やワンセグ程度の画質で見れる機能も搭載していました。
海外の回線環境が思いのほか悪かった為、リアルタイム視聴ではカクカクしてみれたものではなかった為、録画を転送というコンセプトを主流にしていました。iTuneというソフトをコンピュータにいれてテレパソからRSS機能で自動転送させるというのは当時は画期的だったと思います。
古いシステムですとまだこの方法で使われている方も居られますが、現在はiTunesのようなソフトは不要で海外側に子機をセットすることで親機子機の自動同期ができるようになっています。
子機がない場合はPCで代用することも可能ですが、子機があればテレビをつけただけで新しいテレビがアップデートされてくるので、日本にいるのとほぼ変わらない状態でテレビが見れるようになってきます。
子機からの再生は、ローカル再生になる為海外の大画面テレビでも高画質再生ができます。回線に依存しなくてよいのでまるでブルーレイレコーダーから再生させるかのような感覚で録画ファイルの再生ができます。
もちろんiPad, iPhone, アンドロイドやPCも同様でとにかくワンクリック。だけでテレビ再生ができるところまで進化しています。
設置をして録画予約をいれただけであとはテレビをつけるだけでアメリカからテレビが見れています。テレパソにアクセスしたのは予約のときだけであとはほとんど触ってません。
VPNサーバー
時間と共に、海外から特定のサイトにアクセスできないという規制ができてきました。Yahooのニュースやオンディマンドの動画など海外からアクセス規制がかかるようになりました。そこで、お客さまのご要望をもとにテレパソにVPNサーバーを追加しました。VPNサーバーというのは、特別なトンネルで日本のテレパソと海外のネットワークをつなぐことができるものです。自宅のテレパソと海外のPCがどこでもドアで同じ場所にあるようなネットワークを構成できるんです。
これができると何が起きるか?というと例えば海外にあるAppleTVを日本接続にすることができます。モバイルやPCではVPN接続のためのキーをインストールできるのですが、AppleTVやAmazon Fire Stickではそのような設定ができません。そこで、海外の子機からWiFiでつながるVPNホットスポットを出力させることでAppleTVを子機のWiFiにつなげるだけで日本接続にできてしまいます。AppleTVだけではありません。Alexaやゲーム機器もWiFi だけでつながります。なので日本からのスマート家電が海外でも使えるようになります。
あまり知られていないのですが、Alexaを日本で購入して海外の子機パソに繋げると日本のラジオが聞けます。Alexaでサポートされているラジコが海外で聴けるのは嬉しいですよね。
近年様々なVPN業者がございますが、HuluやNetflixといった有料のサイトでは、物理的ロケーションのチェックをするようになっています。業者のVPNの場合IPが業務サーバーのもののため自宅と判断されず弾かれるようになってきています。
テレパソのVPNサーバーを利用するとテレパソの設置場所の自宅のIPでアクセスするため海外であっても規制にかかることはなくなります。オンディマンドの流行りと共にVPNサーバーへの需要も高くなってきており、1台に2つの機能を搭載させることでより海外から快適にご利用いただけるよう進化しております。
17年という長い道のり
海外から日本のテレビを見る 今では当たり前になっていますが、ここまでたどり着くには様々な問題がありました。世界中に渡航されるお客さまをサポートさせていただくことで世界のあらゆる場所からの規制や回線環境を理解することができました。テレパソ自体は日本全国にシステムが設置されているため、日本のあらゆるインフラやプロバイダーからの規制や設定も17年間でたくさん理解することができました。
外部から自宅内に安全にアクセスする方法や星の数ほどある各メーカーのルーターの設定も17年の月日を経て熟知することができました。海外で起こりうるあらゆるトラブル、エラーメッセージに対応する土台は既に十分できたと思っています。海外に渡航されるユーザー様におかれましては、未知の国でのインターネット環境においても戸惑うことなく日本のテレビが日々快適にみれるようこれからも皆様と共に精一杯お手伝いをさせていただきます。17年間の進化は海外にお住まいの邦人の皆様にいただいたギフトです。いつもご愛顧ありがとうございます。